子供のダンスは立ち方を見ると本当に伸びる

上手い人の立ち方を見て学ぶ子どもダンサー

獅子会のSHIGE_SDSです。みなさん、子どもが上手い人のダンスを真似しようとして、手や足の動きだけを必死に追っている時ってありませんか?

  • 動画を見ながら、動いている腕だけを追っている。
  • 先生のステップを見ているのに、足の置き方は違う。
  • 形だけ真似しているのに、なぜか同じ動きにならない。
  • 本人は見ているつもりなのに、身体に入っていかない。

これも、悪いことではありません。上手い人を見て真似したいと思うことは、めちゃくちゃ大事です。俺も昔から、上手い人を見るのは好きでした。

でも、見ているつもりで、全然見えていないこともあるんです。ここ、ほんまにある。だから俺はここに一つ落とし穴があると思っています。

動いているところだけ見ても、上手い人の動きは真似できません。

ここなんです。

はい。

手がどう動いたか。足がどこへ行ったか。そこも大事です。でも、その前に見ないといけないものがあります。どう立っているか。どこに体重が乗っているか。身体がどっちを向いているか。

要は、動きの前にある「在り方」を見るんです。今日は、子供のダンスで上手い人を見る時に何を見るのか、立ち方、背中、指書き、アドリブ、そして獅子会で大事にしている観察の力までつなげて話します。

これは、センスがある子だけの話ではありません。見方は、練習できます。何を見るかを変えた瞬間に、同じレッスンでも受け取るものが変わります。

動いているところだけ見ると迷子になる

上手い人の動きを見て学ぶ子どものヒップホップレッスン

上手い人のダンスを見ると、どうしても派手に動いているところへ目が行きます。腕が大きく動いた。足が速く入れ替わった。首の角度がかっこよかった。そこを見たくなる気持ちは分かります。

でも、そこだけ追うと迷子になります。

なんでか。

動きには、動き出す前の住所があるからです。

動きだけを追う前に、その人がどう立っているかを見る。

なぜなら、同じ腕の動きでも、立ち方が違えば全く別物になるからです。身体の向きが違う。体重の乗り方が違う。膝のゆるみが違う。それなのに手だけ真似しても、同じ動きにはなりません。

これは、子どもが下手という話ではありません。見方をまだ知らないだけです。見る力が変わると、真似の質が変わります。

上手い人を見た時に、まず何を見るか。ここから、練習の入り方が変わっていきます。目で追っているようで、実は何も見えていないことがあります。

動きが速いと、子どもは特に目立つ場所へ引っ張られます。でも、上手い人ほど、派手な部分の前に静かな準備があります。その準備を見られるかどうか。

そこが、真似できる子と、形だけで終わる子の差になります。レッスンでも、同じ振付を見ているはずなのに、入ってくるものが違う子がいます。それは能力だけではなく、見ている場所が違うんです。

手を見ている子、足を見ている子、身体全体の向きを見ている子。見ている場所が違えば、身体に残るものも変わります。ここが分かってくると、同じレッスンを受けていても吸収が変わります。

先生が一回見せた時に、ただ「すごい」で終わらない。「あ、足の置き方から違うんや」「あ、胸の向きが先に決まってるんや」

そうやって、自分の身体へ持って帰れるようになります。

まず足の形と向きを合わせる

先生と同じ足の形から動きを始める子どもダンサー

先生が動きを見せた時、俺はまず足を見てほしいと思っています。右足が前なのか。左足が開いているのか。つま先はどっちを向いているのか。ここを合わせずに動きだけ入ろうとすると、だいたいズレます。

足の形は、住所みたいなものです。

住所を書かずに手紙を出しても届かない。
立ち方を合わせずに動きを真似しても、身体に届かない。
はい。これ、ほんまにそうです。

子どもはすぐ動きたくなります。でも、動く前に一回止まる。同じ足の形にする。同じ向きにする。同じ高さに近づける。

そこから動き出すだけで、真似の精度はかなり変わります。始まりの形が変われば、動きの終わり方も変わります。ここを雑にすると、途中でいくら頑張っても合いません。

逆に、始まりを丁寧に合わせられる子は、先生の動きを身体で受け取りやすくなります。これは、細かすぎる話に見えるかもしれません。でも、ダンスは細かい始まりで大きく変わります。

つま先が少し外を向いているだけで、膝の入り方が変わる。膝の入り方が変われば、腰の通り方も変わる。腰が変われば、上半身の見え方まで変わります。

だから、足元を見ることは、全身を見ることでもあるんです。ここを子どもが分かってくると、練習中の顔が変わります。「早く動きたい」から、「まずどこから始まってるんやろ」に変わる。

これやな。

見る場所が変わった瞬間に、もう練習の質が変わっています。

立ち方が違えば、同じ動きにならない

体の向きと重心を確認するヒップホップ基礎練習

同じ腕を横に出すだけでも、立ち方で見え方は変わります。真正面に立っているのか。少し斜めなのか。重心が右に乗っているのか。左に乗っているのか。これだけで、動きの出方は変わります。

テレビを見る時を想像したら分かりやすいです。テレビの正面に座って見るのと、横から見るのでは、同じ映像でも見え方が違います。身体も同じです。

同じ振付をしているつもりでも、身体の住所が違ったら、届く場所が変わります。

角度が違えば、同じ動きをしているつもりでも別の動きになります。

だから、先生の動きを見る時は、手足だけではなく身体の向きを見る。胸がどっちを向いているか。骨盤がどっちへ向いているか。膝がどこへ逃げているか。こういうところを見るだけで、真似方が変わります。

もちろん、最初から全部は見られません。だから、今日の100点でいい。今日は足だけ見る。次は胸の向きを見る。次は重心を見る。

一個ずつ見える場所が増えることが、上達です。子どもに「ちゃんと見て」と言うだけでは、何を見たらいいか分からないことがあります。だから、具体的に渡す必要があります。

今日は足。次は胸。次は重心。次は始まりの向き。そうやって見る場所を決めると、子どもの目が変わります。ただ眺めている時間から、学んでいる時間へ変わります。

これ、ダンスだけの話じゃありません。何かを学ぶ時に、どこを見るか。そこが変われば、入ってくるものが変わる。

せやから、見方は技術です。センスだけで片付けたらもったいない。

背中を見られる子は、真似方が変わる

背中の使い方を見て学ぶ子どものストリートダンス練習

俺は、背中を見ることも大事やと思っています。これ、俺の中ではかなり大きいです。前から見える手足だけではなく、背中がどう動いているか。

ここを見ると、ダンスの見え方が変わります。上手い人は、正面だけで踊っていません。背中にも音がある。後ろ側にも動きがある。

だから、手だけ真似しても薄く見えることがあります。

背中が動いているか。
後ろ側まで音が通っているか。
ここを見ると、真似がただの形じゃなくなります。

鏡がある時は、正面の形を確認できます。でも、鏡だけに頼ると、見えるところばかり気になります。見えない背中を感じようとする。

これが入ると、自分の身体の見方も変わります。上手い人の背中を見ることは、自分の背中に気づく入口です。子どもにも、これは少しずつ伝わります。

「後ろも動いてるかな」その一言だけで、身体の使い方が変わる瞬間があります。背中を見るというのは、難しい技術名を覚えることではありません。

上手い人の身体が、前だけで完結していないと知ることです。それが分かると、自分の動きも前だけで終わらなくなります。音が後ろまで回る。肩の奥まで動きが入る。

そういう感覚が、少しずつ身体に残っていきます。背中を見ようとすると、前だけで判断しなくなります。身体の奥行きを見るようになる。

人の踊りを見る目も、自分の身体を見る目も、少し深くなります。

あ、そういうことや。

こういう瞬間が増えてくると、練習はほんまに面白くなります。

指で書くと、身体の中に道ができる

空中に指で動きの軌道を書く子どもダンサー

動きが分からない時、いきなり身体でやろうとする子が多いです。でも、身体でやる前に、まず指で書いてみる。これ、ほんまに大事です。

腕の軌道、肩の八の字、ステップの方向。指で空中に書くと、自分が何をしようとしているのかが見えてきます。

指で書けないものは、身体でもだいたい迷子になります。

逆に、指で何度も書けるようになると、身体の中に道ができます。ここから入って、ここを通って、ここへ抜ける。その道を先に作るんです。

子どもは「早く踊りたい」と思います。でも、指で書く時間は遠回りではありません。身体が迷わないための準備です。

小さい指の動きが、大きい身体の動きを助けます。それが分かってくると、練習が少し面白くなります。「あ、今の道ちゃうな」

「こっちから入ったら動きやすいな」そうやって、自分で身体の道を探せるようになっていきます。指書きは、子どもからすると遊びみたいに見えるかもしれません。

でも、その遊びみたいな時間が、身体の準備になります。空中に何度も書く。目で追う。頭の中にも形を残す。そのあと身体でやってみると、いきなり動くより入りやすい。

「あ、こっちやったんや」と気づくこともあります。こういう小さい理解が積み重なると、真似がただのコピーではなくなります。俺は、こういう練習がけっこう好きです。

指で書いて、身体でやって、ズレて、また書く。「あ、こっちちゃうわ」ってなる。で、もう一回やったらちょっと通る。

あ〜楽しい♪笑

こういう小さい発見があるから、基礎練習は面白いんです。

アドリブは、急に出すものやない

音楽の中で自然にアドリブを出す子どものヒップホップダンス

アドリブというと、その場で急に思いついて踊るものだと思われやすいです。もちろん、その瞬間の感覚はあります。でも、何もないところから急に出てくるわけではありません。

普段から身体の中に道を作っているから、音が鳴った時に自然に出てくるんです。

指で書いた道。
ゆっくり通した道。
何回も見て真似した道。
それが、音の中で出てくる。

だから、アドリブが苦手な子ほど、いきなり自由に踊ろうとしなくていい。まずは一個の道を作る。その道を、音の中で少しずつ使ってみる。

そこから変えていけばいいんです。自由は、何も考えないことではありません。身体に入ったものが自然に出ることです。ここを勘違いすると、アドリブが怖くなります。

何かすごいことをしないといけない気がする。でも、そうじゃない。今の自分の中にあるものを、音の中で一つ出してみる。

それで十分です。そこから広がっていきます。アドリブが怖い子は、自由という言葉に押されていることがあります。自由にしていいと言われるほど、何をしたらいいか分からなくなる。

でも、身体に道があれば、その道を一つ出せばいい。そこに音が入ったら、少し変わる。次は向きを変える。次はタイミングを変える。

そうやって、少しずつ自分の踊りになっていきます。要は、自分の器に入っているものが出てくるんです。何も入っていないのに、自由に出せと言われても難しい。

でも、見て、真似て、指で書いて、身体に入れたものがあれば、そこから遊べる。自由は、積み重ねたものが音の中で動き出すことやと思っています。

鏡がなくても練習できる子は強い

鏡を見ずに身体の感覚で練習するキッズダンサー

鏡は便利です。形を確認できるし、先生との違いも見えやすい。でも、鏡がないと練習できない状態になると、それはそれで弱いです。

本番も、遊びの中も、いつも鏡があるわけではありません。だから、自分の身体の中で見る力も必要です。

鏡で見る練習と、身体で見る練習。どちらも必要です。

足元を見る。体重を感じる。背中を想像する。指で書いた道を、身体の中でなぞる。こういう練習は、鏡がなくてもできます。

むしろ、鏡がないからこそ、自分の感覚に戻れることもあります。子どもには、見えるものだけに頼らない力を持ってほしい。自分の身体の中に目を持つ感覚です。

これがある子は、どこでも練習できます。家でも、公園でも、スタジオの待ち時間でも、身体の中で確認できる。その積み重ねが、踊りを変えていきます。

自分の身体の中に目を持てるようになると、レッスン以外の時間も変わります。歩いている時に重心を感じる。音を聞いた時に肩が動く。ふとした時に足の向きに気づく。そういう日常の小さい感覚が、ダンスの土台になります。

レッスンの時間だけ頑張るのではなく、身体との付き合い方が変わる。そこまで行くと、練習はもっと面白くなります。

親が見るのは、派手さより見方の変化

保護者が子どもの観察力の変化を見守るダンススタジオ

親から見ると、分かりやすい変化に目が行きます。前より大きく動けた。速くできた。技ができた。もちろん、それは嬉しいことです。

でも、見方が変わった瞬間も見てほしいんです。先生の動きを見た時に、手だけではなく足を見るようになった。動画を見る時に、身体の向きを気にするようになった。

できない時に、「どこから始まってるんやろ」と考えるようになった。

見方が変わると、練習の質が変わります。

これは、外から見ると小さい変化です。でも、めちゃくちゃ大事です。ただ真似している子から、自分で観察している子へ変わっていく。

この変化は、時間が経つほど大きな差になります。親がそこを見られると、子どもの成長を結果だけで判断しなくなります。「今日、足から見てたな」

「今、先生の背中まで見ようとしてたな」そういう声かけができると、子どもは自分の見方にも自信を持てます。結果が出る前の変化を見てもらえる子は、焦りにくくなります。

まだ技が完成していなくても、「見方が変わっている」と分かれば続けられる。続けられる子は、あとから必ず変わっていきます。親が見る場所を変えることは、子どもの努力の見え方を変えることでもあります。

獅子会で伝えたい観察の正体

獅子会で立ち方と観察を学ぶ子どもダンサーたち

観察というと、ただ見ることのように聞こえます。でも、獅子会で伝えたい観察は、もっと身体に近いものです。見る。真似る。自分の身体で試す。違いに気づく。また見る。

この往復です。上手い人を見ることは、憧れるためだけではありません。自分の身体を知るためでもあります。

何を見るかで、何が入るかが変わる。
何が入るかで、次の一回が変わる。
そこに、観察の力があります。

在れば成る!も同じです。見方が整っている子は、受け取り方が変わります。見る姿勢が整っている。聞く姿勢が整っている。試す姿勢が整っている。

これも、その子の在り方です。受け取り方が変わると、練習の一回が変わります。その一回が積み重なると、踊りが変わります。

今日の100点は、完璧に真似できたかだけではありません。昨日より一つ、立ち方を見られた。昨日より一つ、背中に気づけた。

昨日より一つ、指で道を作れた。その小さい観察が、子どものダンスを本当に伸ばしていきます。獅子会では、技術だけではなく、そういう見方に触れてほしい。

何に触れるか。どこに身を置くか。誰と出会うか。そこが変われば、子どもの可能性はもっと広がります。獅子会でやりたいのは、ただ振付を覚えることだけではありません。

見方、受け取り方、身体への戻し方を育てることです。それが入ると、同じ一回のレッスンでも吸収する量が変わります。上手い人を見た時に、憧れで終わらず、自分の身体へ持って帰れる。

その力は、ダンス以外にもつながっていくと思っています。そして、観察は一回で終わるものではありません。同じ先生を見ても、昨日は足しか見えなかった。今日は胸の向きが見えた。明日は背中まで見えるかもしれない。

それでいいんです。見えるものが増えるたびに、その子の世界も少しずつ広がります。たとえば、人の話を聞く時も同じです。

表面の言葉だけを追うのか。その人がどんな状態で話しているのかまで見るのか。ダンスで立ち方を見る力は、そういう日常の見方にもつながります。だから、俺は観察をただの技術練習で終わらせたくありません。

目で見て、身体で受け取って、自分の一回に変える。ここまでできて、初めて「見た」が力になります。子どもたちには、その力をダンスを通して育ててほしいんです。

まず自分。

自分が何を見ているのか。何を見落としているのか。どこから動き出しているのか。そこに気づける子は、ほんまに伸びます。火を消さずに、のびのびやる。

でも、当たり前のことはちゃんとやる。獅子会で伝えたい観察は、そこにつながっています。

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